第五次中東戦争
第五次中東戦争とは第三次世界大戦の始まりとなった南北同盟軍と連合国で戦われた戦争。
中東戦域と同意味。
2164年9月のメギドの戦いから2165年8月のキング・ハリド基地陥落まで続いた。
聖書ではイスラエルのメギドで世界最終戦争が起こるとされており、
メギドで開戦した本戦争、またこれを発端として起こった第三次世界大戦は世界最終戦争と言われている。
参戦国
連合国
同盟国
- 南北同盟
- EU
- AU
- イスラエル
概要
バンコク事件とカイロ事件
2164年9月、地中海合同軍事演習のためイスラエルのハイファ港に南北同盟艦隊が来航した。
これに先立ち南北同盟は帝政復古と「地球帝国」の建国を宣言し、
AUは宇宙軍本部のあるタイ、バンコクで騒動(バンコク事件)を起こしていたため宇宙軍は敏感に反応。
ハイファ同様、地中海に面する都市テルアビブには中東における宇宙軍の拠点があり、
環太平洋連合は演習の中止を求めていたが強行された。
イスラエルは伝統的なアメリカの友好国であったが、急成長する南北同盟に接近し、
キリスト国の力で近隣のイスラム諸国に対抗しようという思惑があり、ハイファへの寄港を歓迎した。
バンコク事件同様に南北同盟側の明らかな示威行動であり、
第二次ヨーロッパ戦争におけるバチカン同様に
エルサレムという宗教的なシンボルを抑えられることは連合国としては何としても阻止したい考えだった。
宇宙軍は侵攻を阻止するためにハイファに向けて軍を展開させたが、メギドで偶発的衝突が起こった。
連合国の中でもバンコク事件の当事国である中国はAU征伐を強硬に求めたが
主流は南北同盟を瓦解させるためAUや南アメリカ連合などの
南半球の地域連合を安保理常任理事国として招き入れ、
EUを再び孤立化させるという国際世論を形成していたため穏便な対応を取らざるを得なかった。
宇宙軍司令長官はバンコク事件問題とAUの常任理事国入りについて
AU全権バージル・ウエストモーランド将軍との話し合いのためエジプトカイロに滞在中であった。
こうした連合国首脳部の思惑もあり現地で休戦協定が結ばれたが、
協定が反古にされたとして環太平洋連合が南北同盟に宣戦布告した。
これと前後してAU軍はカイロに滞在中の宇宙軍司令長官を拘束した。(カイロ事件)
空爆とイスラム連合の結成
連合国は当初空軍が主体で地上軍は展開しなかった。
ローマ教皇を中心とした新体制を目指す南北同盟がイスラム教国に対しエキュメニカル運動を展開。
これに対抗し連合国はイスラム教原理主義組織「イスラム連合」を結成させこれを地上作戦に当たらせた。
逆十字軍がローマ教皇の救出を目的としていたように
イスラム連合は&color(#FF0000){エルサレムの奪還}を目的としていた。
同盟軍は開戦1週間で宇宙軍司令長官を捕らえ、
これを交渉の切り札として有利な条件で早期講和に持ち込む魂胆であった。
同盟軍は12月25日のクリスマスを一つの期限として&color(#FF0000){クリスマス講和}を目指していた。
しかし11月初旬に北米連合特殊部隊が宇宙軍司令長官救出に成功。
その後、連合国はパレスチナを国家承認した。
宇宙軍司令官は生還演説で反転攻勢を宣言、戦いは長期化が予想された。
ところがイスラエル軍の活躍もあり、ガザ地区が占領され、
地上作戦を展開していたイスラム連合が徐々に勢力を失ったため
東アジア連合が地上軍を派遣、北米連合もサウジアラビアに派遣させた。
戦線が膠着する中、互いに兵を引き、パレスチナ地域を中立地帯とする事で停戦協定を進めようとするも
密かにリベリアに軍事物資を運んでいたアメリカ輸送船がEU潜水艦によって大西洋上で沈められたことから大西洋戦争が勃発。
北米連合が南北同盟に宣戦布告し、文字通りの世界大戦へと発展した。
サウジ戦
年が明け2165年に入ると戦域はイスラエルから中東全域に広がりサウジ戦が始まった。
連合国はアラビア半島中部にあるキング・ハリド基地を拠点として半年余り同盟軍の南下を抑えていたが、
8月にキング・ハリド基地から連合国が撤退したことにより戦争は同盟国の勝利に終わった。
しかし、これはかりそめの勝利に過ぎなかった。
キング・ハリド基地が持ちこたえている間にも
宇宙軍高官はインド、タイへ逃れ、イスラム連合もインドネシアに移り、
米中連合国は2166年にシベリア革命を決行し、極東に巨大な勢力圏を確保、
連合軍の一斉の中東からの退却は戦略的撤退であった。
戦いは第二局面である東アジア戦争へと続く事になる。
背景
第二次ヨーロッパ戦争の敗北と、バチカンで親ヨーロッパ派の教皇が誕生したこと、
そしてオーストラリアや南米の脱退を受け環太平洋同盟の結束も緩んだために宇宙軍中心の政権の続行が危ぶまれた。
宇宙軍はローマ教皇庁に世界の統治権を返上する教皇権の復活を行い、カトリシズム的打倒アメリカ運動の大義名分を失わせた。
ローマ教皇庁が国連において投票権を持たないため、引き続き宇宙軍が新政府下の実質的な政権を担う予定であった。
これに対し南北同盟は、政治上の劣勢を挽回すべくクーデターを計画。
宇宙軍将校や親アメリカ派を排除し、
イスラエルでローマ教皇を立てて帝政復古、地球帝国の建国を宣言する。
これはEUやAUを中心とした新体制の内容であった。
さらに会議で宇宙軍総司令官に対し統帥権の放棄と領地の一部返上の要求を決定した。
アメリカは世界におけるカトリック教会の特定の地位を認めたものの
地球帝国を第4帝国と呼び新体制による世界支配宣言を非難した。
さらにAU軍が宇宙軍本部があるバンコクで騒擾を起こさせたため、宇宙軍はアフリカ征伐を検討していた。
当初はEUを孤立化させるという連合国の戦略のため穏便な対策を取っていたが、
カイロで宇宙軍長官がAU軍に拘束されたことから主戦派が実権を握ることになる。
結果
戦いは比較的順調に同盟国優位に進んだ。
原因のひとつは連合国の連携不足である。
環太平洋連合は宣戦布告しながらも各国に思惑の違いがあった。
北米連合と東アジア連合は空爆に積極的であったがロシアは消極的であった。
傀儡であるイスラム連合も傭兵の寄せ集めであり士気が低かった。
また大西洋でアメリカ船舶が沈められたことにより
北米連合は本土侵攻を恐れ中東の戦力を急遽本土に召還させた。
東アジア連合も地上軍を展開させ、一時押し戻すも 深追いせず宇宙軍高官の脱出作戦を優先した。
連合国はこれを「戦略的撤退」としていた。そのため次の東アジア戦争は熾烈を極める。
この戦争で連合国勢力は中東地域から一風されたが
イスラム過激派の行動が予想されたため占領下では軍政が敷かれた。
バチカンは「エルサレム解放」を含めエキュメニカル運動を展開しイスラムとの和解を進めた。